【巡礼のしかた】順打ちと逆打ちとは-巡礼のしかた
順打ちと逆打ちの意味
巡礼をすることを、「打つ」と言います。
これは、「札打ち」という言葉からきています。
お遍路してお参りする時に、札所に納め札(自分の名前などを書いた紙)を置いていきます。
今では紙や布の札ですが、元々は木の板でした。
名前を書いた板をお寺の柱や軒に釘で打ち付けていくのです。
お寺の方でもあまり打ち付けられても困るので、専用のお堂を作ったりしましたが、今では箱に入れていくという形になった霊場が多いです。
それでも地域によって色々な風習があり、例えば山形県の観音霊場では専用のパネルを設置していて糊で貼っていったり、津軽観音霊場では札を紐で掛けて行きます。そこで札掛けとも言います。
巡礼を一番から番号順に巡る巡拝を「順打ち」と言います。
一番へ番号を逆に巡る巡拝を「逆打ち」と言います。
津軽弘法大師霊場でいうと、一番から始めて、番号順に進み、二十三番で終わるのが順打ち。
二十三番から始めて、二十二番・二十一番・・・一番とお参りして行くのが逆打ちです。
逆打ちは御利益が3倍
四国八十八ヶ所霊場では、逆打ちは順打ちより御利益が3倍と俗に言われます。
これは、このような理由からです。
- 逆に回ると「次の札所までの案内掲示」が使えないので、道路に不案内だと苦労する。
- 順打ちの方が人が多いので、逆に回るとすれ違う人が多くなる。お遍路さんに会った分だけ御利益を分けて貰える。
- 弘法大師が今も四国を巡礼しているという信仰から、逆に回ると必ずどこかでお大師さんと会える。
衛門三郎の逸話でも、21回目に逆打ちで回り、最期にお大師さんに出会い救われました。
今までの自己中心的な願いから、世の中の役に立ちたいという願いに心変わりをした事の象徴が、逆に回るという行為でした。
文質は逆に回る行為ではなく、自分のメガネだけで見るのでは無く他人の事もおもんばかる心を持つことが大切という話でした。