弘法大師霊場巡拝の仕方

津軽弘法大師霊場のお参りの方法

津軽弘法大師霊場のお参りする場所が分かりづらくご迷惑おかけしております。

各札所では、本堂中央にはお寺の御本尊をお祀りして、お大師さんは脇のほうにいることが多いです。(御本尊が弘法大師のお寺を除いて)
また、大師堂というお大師さんをお祀りしているお堂を構えているお寺は多くはありません。

そのため、お大師さんのお参りには本堂内に安置されている入定大師像か、屋外に建立されている修行大師像をお参りしていただくことになります。

具体的な参拝する場所については各札所の和尚さまの指示に従ってお参りをして下さい。

また、お寺が無人の時には、皆様にはロウソク・線香の火の始末やお供え物のお菓子など(動物やカラスによる被害がありますので)にご注意いただきまして、ありがとうございます。
これからも霊場が続きますように皆様のご信心をよろしくお願いいたします。

弘法大師霊場巡拝次第

弘法大師霊場の巡拝の仕方はこのようになります。一般的には「3、懺悔文」~「8、三昧耶戒真言」は省略されることが多いです。

項目をマウスでクリックするとお経の説明に飛びます。

丁寧な弘法大師霊場巡拝次第

簡単な弘法大師霊場巡拝次第

1、三礼(さんらい)

一般的に神社では「二礼・二拍手・一礼」でお参りしますが、仏教では「三礼」をします。正座をして、額を前の畳に付くように前屈みになり、両手は前に伸ばして頭の辺りに置き、手のひらは上に向けて三回軽く招く動作をします。これは、仏様の御足を頂くという意味があります。

しかし、実際に体を伸ばす場所をとる事は困難ですので、合掌をして軽く会釈する方法でもよいでしょう。これからお参りをするにあたって、心を静めて仏様に帰依する気持ちになる事が大切です。

次第の目次に戻る

2、開経偈(かいきょうげ)

むじょうじんじんみみょうほう
無上甚深微妙法
ひゃくせんまんごうなんそうぐう
百千万劫難遭遇
がこんけんもんとくじゅじ
我今見聞得受持
がんげにょらいしんじつぎ
願解如来真実義

お経を開くときにお唱する偈文(げもん・漢詩のような形式にまとめられたお経)です。ほとんどの宗派でお経を読む前にお唱えします。

意味は、「この上なく深い真理の法(仏教の教え)は、どれほどの時を経ても出会う事は難しい。私は今、その教えを知り、それを実践していこうとしている。願わくは仏陀の悟りを体得できますように。」といった感じです。

お経を読む前の宣誓文になります。

次第の目次に戻る

3、懺悔文(さんげもん)

がしゃくしょぞうしょあくごう
我昔所造諸悪業
かいゆうむしとんじんち
皆由無始貪瞋癡
じゅうしんごいししょしょう
従身語意之所生
いっさいがこんかいさんげ
一切我今皆懺悔

「今まで行ってきた悪い行いを懺悔します」という誓いをします。

次第の目次に戻る

4、三帰(さんき)

でしむこう じんみらいさい
弟子某甲 尽未来際
きえぶつ きえほう きえそう
帰依仏 帰依法 帰依僧

「仏法僧の三宝に帰依します」という誓いをします。仏法僧とは、悟りを開いた仏、仏教の教え、修行者の集まりを意味します。

次第の目次に戻る

5、三竟(さんきょう)

でしむこう じんみらいさい
弟子某甲 尽未来際
きえぶっきょう きえほうきょう きえそうきょう
帰依仏竟 帰依法竟 帰依僧竟

竟は終わるという意味で、「仏法僧に帰依をする誓いを立て終わりました」という確認の言葉です。

次第の目次に戻る

6、十善戒(じゅうぜんかい)

でしむこう じんみらいさい
弟子某甲 尽未来際
ふせっしょう ふちゅうとう ふじゃいん ふもうご ふきご
不殺生 不偸盗 不邪婬 不妄語 不綺語
ふあっく ふりょうぜつ ふけんどん ふしんに ふじゃけん
不悪口 不両舌 不慳貪 不瞋恚 不邪見

してはいけない事を10項目にまとめ、それを行いませんという誓いです。

次第の目次に戻る

7、発菩提心真言(ほつぼだいしんしんごん)

オン ボウジシッタ ボダハダヤミ

菩提心とは悟りを求めようとする気持ちです。その菩提心を起こしますという誓いをします。

次第の目次に戻る

8、三昧耶戒真言(さんまやかいしんごん)

オン サンマヤ サトバン

最後に、これらの誓いを立てた結果、自らと仏さまとが一体となったという宣言です。真言宗で言う即身成仏や、巡礼の同行二人の心に通じます。

次第の目次に戻る

9、般若心経(はんにゃしんぎょう)

ぶっせつまーかーはんにゃーはーらーみーたーしんぎょう
仏説摩訶般若波羅蜜多心経
かんじーざいぼーさーぎょうじんはんにゃーはーらーみーたー
観自在菩薩行深般若波羅蜜多
じーしょうけんごーうんかいくーどーいっさいくーやく
時照見五蘊皆空度一切苦厄
しゃーりーしーしきふーいーくうくうふーいーしきしきそくぜー
舎利子色不異空空不異色色即是
くうくうそくぜーしきじゅーそうぎょうしきやくぶーにょーぜー
空空即是色受想行識亦復如是
しゃーりーしーぜーしょうほうくうそうふーしょうふーめつふーくーふーじょう
舎利子是諸法空相不生不滅不垢不浄
ふーぞうふーげんぜーこーくうちゅうむーしきむーじゅーそうぎょうしきむーげんにー
不増不減是故空中無色無受想行識無眼耳
びーぜっしんいーむーしきしょうこうみーそくほうむーげんかいないしー
鼻舌身意無色声香味触法無眼界乃至
むーいーしきかいむーむーみょうやくむーむーみょうじんないしーむーろうしーやく
無意識界無無明亦無無明尽乃至無老死亦
むーろうしーじんむーくーしゅうめつどうむーちーやくむーとくいー
無老死尽無苦集滅道無智亦無得以
むーしょーとっこーぼーだいさったーえーはんにゃーはーらーみーたー
無所得故菩提薩埵依般若波羅蜜多
こーしんむーけーげーむーけーげーこーむーうーくーふーおんりーいっさいてんどう
故心無罣礙無罣礙故無有恐怖遠離一切顛倒
むーそうくーぎょうねーはんさんぜーしょーぶつえーはんにゃーはーらーみーたー
夢想究竟涅槃三世諸仏依般若波羅蜜多
こーとくあーのくたーらーさんみゃくさんぼーだいこーちーはんにゃーはーらーみーたー
故得阿耨多羅三藐三菩提故知般若波羅蜜多
ぜーだいじんしゅぜーだいみょうしゅぜーむーじょうーしゅぜーむーとうとうしゅ
是大神呪是大明呪是無上呪是無等等呪
のうじょーいっさいくーしんじつふーこーこーせつはんにゃーはーらーみーたー
能除一切苦真実不虚故説般若波羅蜜多
しゅーそくせつしゅーわつぎゃーてーぎゃーてーはーらーぎゃーてーはらそうぎゃーてー
呪即説呪曰羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦
ぼーじーそわかーはんにゃーしんぎょう
菩提薩婆訶般若心経

ここからお経が始まります。お唱えするお経は何でも構いませんが、一番短くて宗派を問わずに使われている般若心経が一般的です。実際の読み方に近い振り仮名を付けました。真言宗では題の頭に仏説が付きます。

句読点が付いている経本もありますが、句読点は意味で見た場合の文章の区切りなので、お唱えする時の息継ぎの区切りではありません。息継ぎは、自分の息が続かなくなった時に自由にして構いません。

お参りした後に納経帳に頂くご朱印は、お経を納めた証としてのご朱印です。本来は写経を納めて頂くものですが、現在では読経で納めて頂くのが一般的です。

次第の目次に戻る

10、本尊ご真言(ほんぞんごしんごん)

なむ ほんぞん かいえ
南無本尊界会

各寺院のご本尊の真言(サンスクリット語の仏様への唱え言)をお唱えします。しかし、真言でお唱えする事は難しく、本尊の仏様によってお唱えする真言が違うので、「本尊様を拝みます」と言う意味の「南無本尊界会」をお唱えします。尚、「南無」はサンスクリット語で「帰依します」という意味です。

次第の目次に戻る

11、光明真言(こうみょうしんごん)

オン アボキャベイロシャノウ マカボダラマニ ハンドマジンバラ ハラバリタヤウン

光明真言は大日如来を意味する唱え言です。次の南無大師遍照金剛と同じです。

次第の目次に戻る

12、ご宝号(ごほうごう)

なむ だいし へんじょうこんごう
南無大師遍照金剛

「遍照金剛」は大日如来を指す言葉で、お大師さまが唐で伝法灌頂を受けた際の灌頂名が「遍照金剛」でした。そのために、「弘法大師」の大師号を頂いたお大師さまには「南無大師遍照金剛」とお唱えします。

次第の目次に戻る

13、回向文(えこうもん)

ねがわくは このくどくをもって あまねくいっさいにおよぼし
願くは この功徳をもって あまねく一切に及ぼし
われらとしゅじょうと みなともに ぶつどうをじょうぜん(ことを)
われらと衆生と みなともに 仏道を成ぜん(ことを)

がんにしくどく ふぎゅうおいっさい
願以此功徳 普及於一切
がとうよしゅじょう かいぐじょうぶつどう
我等与衆生 皆共成仏道

今までお唱えしたお経によって、自分のみならず世の中のすべての人にも功徳がありますようにと願う言葉です。読経の最後にお唱えします。なお、最後に「ことを」が付く経本もあります。どちらでも構いません。

上記のような漢文の経本もありますが、読み下し文のほうがお唱えしやすいと思います。

次第の目次に戻る

14、三礼(さんらい)

最後も礼拝して終わります。おつかれさまでした。

次第の目次に戻る